新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

rest の意味は「残り」か?

本日は the rest of の訳を考えます。これは「残りの〜」と訳すと不自然なことがあるので、注意が必要です。それは日本語の「残り」には「余りもの」や「プラスα」のニュアンスが強く出るためです。加えて残念なことに、ジーニアス、ランダムハウスリーダーズ、ビジネス技術実用英語大辞典はすべて「残り」あるいは「残部」などの訳しかありません。今回はこの訳を考えてみましょう。

・The life partner with whom you must spend the rest of your life. (あなたのこれからの人生を共に過ごさなければならない人生のパートナー。) Top Ten Oh My God Moments - OMG | HubPages
【研究】①「これから」や「今後」といった訳を当てると、肯定的なニュアンスが出ます。②「残りの人生」と訳すと、「余生」のニュアンスが出ます。
・And here is the rest of the story. (そして話の続きはこれからです。) Charlotte NC Ghost Stories | HubPages
【研究】①「続き」という訳を当てることで読者あるいは聞き手を引き付けることができます。②「残りの話」と訳すと「重要な話は終わった」というニュアンスを与えかねません。
・When it was released in 1984, the tagline for Macintosh was, "The computer for the rest of us." (1984 年のリリース時、マッキントッシュのキャッチ フレーズは「これまでにない一般ユーザー向けコンピューター」であった。) Now Apple's really "for the rest of us" | Macworld
【研究】①GUI 画面を搭載したことによる「これまでとは違う扱いやすいコンピューター」をイメージしています。つまり the rest of us 以外の人々は、専門性の高い人々を意味しています。②文脈によっては上記のように「the other + 名詞」のニュアンスが出ます。③上記の The computer for the rest of us. の訳は、とらえ方でいろいろ解釈できるので試訳としてお考えください。

次回はまた give の用法を扱います。