新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

パンクチュエーションの用法 (ダッシュ編) #2

一般にあまり知られていませんが、ダッシュには en ダッシュと em ダッシュと呼ばれるものがあります。前者は「短いダッシュ」を、後者は「長いダッシュ」を意味しています。これは、n と m の幅に等しいことが名前の由来のようです。それでは特徴や意味を含めて詳しく見ていきましょう。

en ダッシュとハイフンはかなり似ていますが、ハイフンの方が短く、位置もやや低めになっております。ちなみに、ASCII 表記では en および em ダッシュは存在しないので、通常、en ダッシュはハイフン 1 つで、em ダッシュはハイフン 2 つで代用します。

1. em ダッシュ

a. 「強調」の意味で使用され、説明的な語句が挿入する場合に使用されますが、前回 #1 で挙げたような「いきなり話題が飛ぶ」場合にも使われます。

b. em ダッシュを組み合わせて使用すると、 ( ) のように使用できます。

2. en ダッシュ

a. 2005-2010、pp. 203-6 のようにつなげる場合に使用しますが、下記のような例を Write right!: a desktop digest of punctuation, grammar, and style では認めていません。

from 2005-2010, between 2005-2010
これらはそれぞれ、from 2005 to 2010、between 2005 and 2010 と表記するように説明しています。

b. 複合形容詞を作成する場合に使用します。
warm-hearted

c. 接頭辞や接尾辞をつなぐのに使用します。
post-World War Ⅱ

3. 2-em ダッシュ (em ダッシュを 2 つつなげて使用)
単語の一部が省略されていることを示します。
Mr. B――, bl――rd

4. 3-em ダッシュ (em ダッシュを 3 つつなげて使用)
単語が完全に省略されていることを示します。
find the ――― and the ――― between A and B.

他にも細かい用法がありますが、これだけ押さえておけばかなり使えるはずです。上手にパンクチュエーションを利用して商品性の高い英文を作成してください。