2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧
この語を辞書で調べると「実体 (物)」や「存在 (物)」などの訳をよく見かけますが、産業翻訳ではよくそのまま「エンティティ」という訳を当てます。今回はこの語について検証しましょう。これは「抽象的な存在」を表す場合と「具体的な存在」を表す場合があ…
今回は複数の辞書を使う重要性についてお話をしましょう。A の辞書には載っているのに B の辞書には載っていない訳語を見つけたことはありませんか? これは辞書編纂者の編集方針の違いだけではありません。今回はこの点について少しお話をしましょう。辞書…
you を主語にした had better は「脅迫」の意味が含まれやすいので may [might] as well を使用する方が良いと説明している辞書や文法書をよく見かけます。しかしそこまでして (you) had better は避けるべきものなのでしょうか?また、この (you) had bette…
一般の文法書では、先行詞が「人」の場合は who または whom、「人以外 (物・事)」の場合は which が好んで使用され、関係代名詞の that は、先行詞が強い限定を受けている、先行詞が「人」と「人以外」の両者を列挙している、あるいは先行詞自体が不定代名…
よく話題になる単語の一つに between があります。辞書の訳は「A と B の間に」なので、本来は A と B は含まないはずです。しかし、実際の英語ではこの A と B を「含む」と考えないと意味が通じないことがあります。今回はこの点について検証してみましょ…
よく話題になる単語の一つに between があります。辞書の訳は「A と B の間に」なので、本来は A と B は含まないはずです。しかし、実際の英語ではこの A と B を「含む」と考えないと意味が通じないことがあります。今回はこの点について検証してみましょ…
今回はセミコロンの用法です。これは文脈上さまざまな意味を持つので注意が必要です。単に「すなわち」と訳すだけでは解釈できないことも多くなります。下記に英英辞書の定義を挙げてみましょう。・a punctuation mark (;) indicating a more pronounced pau…
日本語と異なり、英語にはパンクチュエーションがいくつもあります。これらは文脈上いろいろな意味を持つため、しっかりとした理解がないと誤訳を生む結果となります。しかし、意外なことに文法書ではこのあたりをしっかり解説していません。今回はコロンに…
garble の訳はいろいろありますが、基本は「歪曲する」や「誤って伝える」です。辞書の中には「文字化け」などの訳をサポートしているものもありますが、下記の例ではこの訳が通じません。・Mapnik outputs garbled images to the browser when running as a…
more than は over や greater than を意味するので、対象となる数字を「含まない」と考えるのが一般的です。ところが、実際にはその対象となるものを「含む」と解釈しないと意味が通じない英文に出会います。Google で "zero or more than one" と検索する…
application は多義語なので訳語選択が非常に大変です。特に、IT 系の場合、application = application program が可能なので、安易に「アプリケーション」と訳してしまいがちです。しかし、これは非常に危険です。文脈をよく考えて訳出するようにしましょう…
resulting はなかなか訳しにくい語です。一般の辞書には「結果として生じる」といった訳が載っていますが、この訳をそのまま使うと不自然になることもあるので注意しましょう。専門用語の訳としては以下のようなものがあります。・resulting current: 派生電…
口語表現や俗語は非常に困るものです。IT 系の文書を訳しているとオーサーが極めて口語色の強い表現を使用しているため、解釈および訳出に困ることがあります。その一つが gotcha です。この表現は got you (=I've got you) に由来するものですが、その類推…
下記のサイトにアーカイブを作成しました。将来的には一覧表示できるようにします。必要に応じてご利用ください。 http://www.ax-globe.jp/newjays/jays.html
訳出に困る表現の一つに chunk があります。単に「(大きな) かたまり」と訳して問題がなければそれで良いのですが、実際にはなかなかそうはいきません。一般の辞書では a chunk of で「かなりの量の」という連語も載せているため、さらに厄介なことになって…
翻訳でよく用いられる several の訳として、「複数の」というものがあります。非常に便利で使い勝手の良い訳ですが、この訳を明確にサポートしている辞書はありません。この辺りからネットはよく「複数の」という訳は可能か?というテーマで、この訳に対する…
本日は接頭辞in-について考えます。単語と一体化して理解していることが多いため、普段はあまり意識しないかもしれません。しかし、実際の翻訳ではこのあたりも意識する必要があります。特に、in+[完全/全体/100 %を表す表現] の場合、「完全否定」と「部分…
格安翻訳と聞くと「品質はどうなの?」とか「そんな金額でやっていけるの?」という不安があると思います。今回はこの点についてお話をしましょう。翻訳者には受注が多い月と少ない月があります。これを一般に「山谷」と呼びますが、弊社ではこの「谷」の期…
一般に前置詞 of は「〜の」で解釈し、それ以上は考えていない人が多いと思います。しかし構文が複雑な場合、あるいは of 前後の名詞に長い修飾語句が付く場合、非常に訳しにくくなります。そのようなときは、of の用法を考えてみましょう。それが下記に挙げ…
as well as を従来の規範文法的に考えると、[新情報] as well as [旧情報] という解釈になります。しかし、実際の英語ではこれが徐々に崩れてきており、A as well as B ≒ A and B あるいは A as well as B ≒ not only A but also B に近くなってきています。…
日本語では単複を意識しないことが多いので、parameter(s) のような表現は非常に困るものです。これはやや長くなりますが「1 つあるいは複数の」と処理します。(ちなみにこの日本語を Google で検索すると、166,000 件ヒットします。) しかし、このような表…
翻訳では当然のように使用されている「可能」(「可能性」や「推量」ではない) の may について考えてみます。実はこの may、意外に曲者で文脈上どちらとも判断できる場合があります。また、一般の辞書ではこの「可能」という訳はほとんどサポートしていない…
意外に戸惑う数量表現の一つに a number of があります。ランダムハウス (英和) では、「多数の」意味だけ認めており、ジーニアスでは「多数の」か「若干の」になるのは文脈によると記述しています。またジーニアスには「米国には『多数の』の意味で用いるの…
「仮定法」とは、「現実には起こらない」あるいは「実際に起こる可能性が極めて低い」状況を設定して事実に反することを述べるのが一般的です。しかし、実際の英語の中には、この定義には当てはまらない例が出てきます。下記に例を挙げます。It is actually …
翻訳でよく見られるものに「例示のmay」というものがあります。しかし、実際にはmayしか使われないわけではなく、程度の差はあれ、ほぼすべての推量の助動詞が使われるようです。では、なぜ、このような推量の助動詞が使用されるのでしょうか。これは具体例…