新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

few の用法#3

本日も few の用法です。few が持つ雑多な用法を解説します。(1) few には不定冠詞以外に、所有格や定冠詞 the も取れます。 ・He is one of our few members. (彼は私たちの数少ないメンバーの一人である。) ・Norton Ghost 15 is a powerful, extremely re…

accuracy と precision の違い

本日は番外編として accuracy と precision の違いを取り上げたいと思います。これはほぼ同義で使用されることもありますが、使用される分野によっては厳密に区別します。このシリーズでは厳密に区分するパターンを検証してみましょう。本日は accuracy と p…

few の用法#2

本日も準否定語の few を扱います。今回は少し雑多な語法を集めて解説します。(1) few + [名詞] は否定語の no に比べ否定の力が弱く、a few との混同が起きる可能性があるため、very few, too few, only a few などを使用するか、まったく別の表現として ha…

few の用法

本日からは few の用法です。一般の辞書では some や several よりも小さい数を表し、具体的な数としては 2〜3 を表すとしていますが、この記述はやや気になる点です。今回はこの点も含めて解説しましょう。この表現の基本は「少ない」です。よって実際の数…

either の用法#2

本日も either の用法です。either A, B, or C のように 3 つの選択肢をとる用法はしばしば批判されますが、実際にはよく使用されます。本日はこの点について見てきましょう。・(aaa|bbb|ccc), match either "aaa" or "bbb" or "ccc". ((aaa|bbb|ccc) は、"a…

either の用法

本日からは either を扱います。この either の原義的な意味は「2 つのもののうちいずれも」という意味です。これに「いずれか一方」の意味が加わりました。それでは具体的に見ていきましょう。(1) either の限定用法で修飾する名詞は単数名詞です。通例複数…

most の用法#4

本日は much の絶対最上級 (非常に〜だ) の用法について触れます。very の意を表す most は学校英語でも見かけるものですが、much の絶対最上級を具体的に説明している辞書や参考書はありません。(1) この用法は頻繁に現れるものではありませんが、文脈上、…

most の用法#3

今回も引き続き、very を表す most の補足です。権威のある文法書での記述で現状と合わない部分があります。今回はその点も含めて解説しましょう。(4) この most は文修飾の副詞も修飾できます。 ・When she receives money, most probably, she will at onc…

most の用法#2

今回も前回に引き続き、very の意味を表す most の用法です。前回に補足する形でご説明します。(1) 絶対最上級 (実に〜だ) を表す most は、相対最上級との区別が紛らわしいことも多いので、他の強意の副詞で代用されることも多いようです。特に英訳の場合は…

most の用法

本日からは most の用法を取り上げます。これも色々厄介な用法が満載なので一つ一つ検証していきましょう。本日は very を意味する most の用法です。 (1) It's most kind of you! (誠に有り難く存じます。) →叙述用法の形容詞や副詞を修飾する場合、冠詞は…

more or less が表す複数の意味#3

本日は more or less の最終日です。これが eventually あるいは practically の意を表す場合は前後関係をよく見なくてはなりません。本日はこの点を含めて解説しましょう。この表現が上記の意味を含むか否かは、文脈依存の要素が極めて高くなります。まずは…

more or less が表す複数の意味#2

本日も引き続き、more or less の用法です。今回の用例は辞書にはあまり載っていないので、品詞別に分類してみましょう。(3) mostly(ほぼ): 名詞・形容詞・副詞・動詞などを修飾 ・[名詞] The project will be more or less a success. (そのプロジェクトは…

more or less が表す複数の意味

本日から数回にわたり more or less を取り上げます。この語句は状況により微妙にニュアンスが異なります。具体例を挙げながら解説しましょう。(1) approximately (約〜): 数詞 (あるいは数詞相当語句) を修飾 ・It's 100 kilos, more or less. (約 100 キロ…

no more + a(n) + 名詞

本日は限定用法の形容詞を伴う名詞句を no more が修飾する場合の形態を説明します。これは今まで、no more A than B で慣れてきた表現なので、それほど違和感はないと思います。下記にいくつか例を挙げましょう。この構文は、no more + a(n) + 形容詞 + 名…

no more Hiroshima か no more Hirosimas か

今回は no more シリーズの番外編です。英語基本形容詞・副詞辞典に「ノーモア・ヒロシマ」に関する解説があったので、少し検証してみたいと思います。(1) 当該辞典の 1129 ページには下記のような記述があります。 ちなみに、日本語の「ノーモア・ヒロシマ…

no more than と not more than の意味の違い (が存在するか否か)

本日は no more than と not more than の意味の違いを扱います。これは、ネットでも取り上げられているテーマなので、このブログでも考察したいと思います。この 2 つの表現に違いがあるか否かですが、結論から申し上げると語法上の違いは存在します。下記…

A not more than B の用法

本日は A not more than B の用法です。これは B の部分に「数詞 (相当語句)」が来て「多くて〜だ」あるいは「せいぜい〜だ」などを意味します。本日はこの点について解説しましょう。A not more than B は、A ≦ B (A 小なりイコール B) を意味しています。…

no more than の用法#4

本日も前回に引き続き、成句としての no more than の用法です。前回は、no more の後ろに名詞や形容詞が来るパターンを見ましたが、ここは述部も可能です。また、not any more...than との書き換えもできます。本日はこれらを含めて考察しましょう。(1) no …

no more than の用法#3

本日のテーマはいわゆる「鯨構文」です。比較級を苦手とする方は少なからずこの用法がネックになっているようです。それでは具体例を挙げながら解説しましょう。これは、A ≠ B の否定的な強調を C ≠ B または C ≠ D の例を挙げて説明する成句です。C ≠ B ま…

no more than の用法#2

本日は no more A than B の用法です。この表現の基本は「B と同じ数 [量] の A しかない」ですが、ここから意味は発展していきます。本日は基本的な使い方を見ていきましょう。(1) これは more A than B (B よりも A だ) を no (まったく〜ない) で否定して…

no more than の用法

本日は「no more than + 数詞」の用法です。ネットの解説もやや混乱しているようなので、少し具体例を挙げて説明したいと思います。これは、more than A (A よりも多い) を no (まったく〜ない) で否定することで、「数字」そのものを強調しています。ここで…

more than...は「〜以上」か?

本日は more than の用法です。これは原義どおり考えれば over の意味ですから「〜を超えて」の意味になり、対象となる語は含みません。しかし、実際の英語ではこの点を杓子定規に考えられないところがあります。本日はこの点を考察しましょう。(1) OneLook …

somewhere, anywhere, everywhere, nowhere の名詞用法#4

本日は nowhere の用法です。本日でこのシリーズは最終になります。・Nowhere is safe. (安全なところなどない。) ・There is nowhere that I would rather be! (居たいと思える場所など、どこにもない!) ・Nowhere seems to stock your magazine anymore. …

somewhere, anywhere, everywhere, nowhere の名詞用法#3

本日は everywhere の用法です。これは every place と同義です。(1) ジーニアスでは「主語として用いられる場合は述部は be, seem などの連結動詞が普通」とあります。連結動詞として be 動詞は他の -where 用法でも可能です。seem に関しては everywhere …

somewhere, anywhere, everywhere, nowhere の名詞用法#2

本日は anywhere の用法です。これも非常に興味深い構造を有しています。下記に例を挙げましょう。この語は主語・補語・目的語の位置に来れます。 ・Anywhere is where she's from. (どこかとは彼女の出身地だ。) →主語の位置。 ・My least favorite place t…

somewhere, anywhere, everywhere, nowhere の名詞用法

しばらく番外編として、somewhere, anywhere, everywhere, nowhere の名詞用法を考察します。これらは副詞なのですが、名詞的な使い方も可能です。本日は somewhere の用法についてみましょう。somewhere は「ある場所 (=some place)」の意味で使用されます…

too の用法#5

too...は、どの程度基準を超えているかを明示することができます。これは「程度の副詞の修飾を受ける too (too の用法#3)」 の延長と考えることができます。本日はこの点について触れましょう。・I've had two too many drinks! (2 杯も飲み過ぎた!) ・Most…

too の用法#4

先日触れた「too + 形容詞 + a(n)+ 名詞」に関する補足です。(1) 規範文法的には可算名詞の単数形に限定され、不可算名詞や可算名詞の複数形は一般に認められません。[Nelson (1980)] × It's too good food to throw away. →It's food (which is) too good t…

a same は誤用か?

今回は番外編として、a same の用法を取り上げます。基本形容詞・副詞辞典では same と不定冠詞の共起を一切認めていません。しかし、現代語法上、どうなのかは少し気になる点です。本日はこの点を検証したいと思います。本来意味の異なる same を identical…

too の用法#3

本日からは強意の副詞の too です。これは例外も多く学ぶところが多い表現です。じっくり見ていきましょう。(1) too + 形容詞 + a(an) + 名詞の構文が可能: ・It was too nice a day to worry about things. (極めて快適な一日だったので、思い悩むなど何ひ…