新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

関係代名詞の中にthink / believe などが入る形

f:id:jay0123:20261005070615p:image関係代名詞の中にthink / believe などが入る形

 

これは入試でも読解でも非常に重要な形です。見た目は複雑ですが、基本は 「関係代名詞+挿入された think / believe など+述語」 と考えると分かりやすいです。

基本形:The man who I think is honest is my teacher.(私が正直だと思っているその男性は、私の先生です。)この who は think の目的語ではありません。本来は I think [he is honest]. で、その he が先行詞 the man と同じなので who になっています。つまり、the man ← who I think [_ is honest]。空所は is honest の主語です。

 

▶️ think「〜と思う」:The student who I think will win the prize is in my class.(私が賞を取ると思っている生徒は私のクラスにいる。)= I think he will win the prize.
▶️ believe「〜だと信じる」:The woman who I believe is responsible for the project is absent today.(そのプロジェクトの責任者だと私が考えている女性は今日欠席している。)= I believe she is responsible.
▶️ suppose「〜だと思う」:The man who I suppose is her father is waiting outside.(彼女の父親だと思われる男性が外で待っている。)= I suppose he is her father.
▶️ expect「〜すると予想する」:The student who we expect will pass the exam has studied very hard.(合格すると私たちが予想している生徒は、とても熱心に勉強してきた。)= We expect he/she will pass.
▶️ know「〜だと知っている」:The person who I know is capable of doing the job has applied.(その仕事ができると私が知っている人物が応募してきた。)= I know he/she is capable.
▶️ assume「〜だと仮定する・思い込む」:The man who we assumed was the manager turned out to be a customer.(私たちがマネージャーだと思っていた男性は、実は客だった。)
▶️ imagine「〜だと思う・想像する」:The woman who I imagined was his wife was actually his sister.(彼の妻だと思っていた女性は実は妹だった。)
consider「〜だと考える」:The candidate who we consider is most suitable has extensive experience.(私たちが最も適任だと考える候補者には豊富な経験がある。)ただし whom we consider to be … の形も非常に重要。
▶️ say「〜だと言う」:The man who they say is the best surgeon in the city works at this hospital.(市内で最高の外科医だと言われている男性はこの病院で働いている。)= They say he is the best surgeon.
claim「〜だと主張する」:The scientist who they claim discovered the new element denied the report.(新元素を発見したと彼らが主張している科学者は、その報道を否定した。)
▶️ report「〜だと報告する」:The company which experts report is facing financial difficulties denied the rumor.(専門家が財政難に直面していると報告している会社は、その噂を否定した。)
▶️ predict「〜すると予測する」:The candidate who analysts predict will win the election gave a speech.(アナリストが当選すると予測している候補者が演説した。)
▶️ hope「〜だと期待する」:The person who we hope will lead the team has accepted the offer.(チームを率いてほしいと私たちが期待している人物が申し出を受け入れた。)

 

🔹特に重要なのは、関係代名詞の直後に I think / I believe などがあるため、who を think の目的語だと勘違いしないことです。たとえば the man who I thought was a doctor は、構造として the man [who I thought [_ was a doctor]]。「私はその男を医者だと思った」ではなく、元になる文は I thought [he was a doctor]. です。したがって who = was の主語です。

 

🔹 一方、こちらは別構造です。The man whom I met yesterday=I met him yesterday. この whom は met の目的語。それに対して The man who I thought was a doctor=I thought he was a doctor. この who は was の主語です。この違いが最大のポイントです。

 

🔹読解では、who / which + S + think / believe / suppose / say / expect + V を見たら、まず S think [who ___ V…] のように挿入部分を外して読むと一気に簡単になります。たとえば The theory which many scientists believe explains the phenomenon is controversial. → many scientists believe をいったん外す → The theory which explains the phenomenon is controversial.(その現象を説明すると多くの科学者が考えている理論には議論がある。)つまり which の本当の相手は explains です。

 

🔹よく出るものをまとめると、who/which + I think / believe / suppose / assume / imagine / know / expect / predict / say / claim / report + V がこのパターンです。特に who I think is ~ / who I thought was ~ / who I believe will ~ / who they say is ~ / who we expect will ~ は頻出です。

identityって何?

f:id:jay0123:20260922101729p:imageidentityって何?

identity の実際の主な日本語訳は、文脈によって次のように変わります。

 

・身元:the identity of the victim → 被害者の身元
・正体:hide one’s identity → 正体を隠す
・本人であること/本人性:confirm someone’s identity → 本人確認をする
・同一性:the identity of A and B → AとBの同一性
・アイデンティティ:personal identity → 個人のアイデンティティ
・自己認識/自己意識:a sense of identity → 自分が何者かという意識
・独自性/個性/そのものらしさ:brand identity → ブランドの独自性・そのブランドらしさ
・帰属意識:national identity → 国家・民族への帰属意識、国民としてのアイデンティティ

 

Q では、なぜこんなに訳が多いのか。

語源はラテン語 idem =「同じ」 です。そこから「同じものであること」「同一であること」という非常に抽象的な概念が生まれました。

その概念を人に当てれば 「身元・正体」、論理的に使えば 「同一性」、自分自身に向ければ 「アイデンティティ・自己認識」、企業や文化に使えば 「独自性・そのものらしさ」 となります。

つまり、identity に日本語訳が何個も別々に存在するというより、英語の identity が一語で広い意味領域を持っていて、日本語では文脈ごとに訳語を変えないと自然にならない、ということです。

覚えるときの核は、identity ← idem「同じ」→「同一であること」

ここから 身元・正体・同一性・アイデンティティ・独自性 が枝分かれする、と考えると整理しやすくなります。

可能性を表す副詞の使い分け

可能性を表す副詞

可能性を表す副詞の使い分け

可能性・確信度を表す副詞は、強さで並べるとかなり整理しやすいです。

・certainly = 確かに、間違いなく
・definitely = 絶対に、間違いなく
・undoubtedly = 疑いなく
・surely = きっと、確かに
・probably = おそらく、たぶん
・presumably = おそらく、たぶんそうだろう
・apparently = どうやら、見たところ
・perhaps = ひょっとすると、もしかすると
・maybe = たぶん、もしかすると
・possibly = ひょっとすると、可能性としては
・conceivably = 考えようによっては、ひょっとすると
・potentially = 潜在的には、場合によっては
確信度のイメージで並べると、

definitely / certainly
↓
undoubtedly / surely
↓
probably
↓
presumably
↓
perhaps / maybe
↓
possibly
↓
conceivably

くらいです。

 

特に受験英語で重要なのは
certainly / definitely / probably / perhaps / maybe / possibly
の6つです。

例文を同じ内容で比べると、

▶️He will certainly come.「彼は間違いなく来るだろう。」

▶️He will probably come.「彼はたぶん来るだろう。」

▶️Perhaps he will come.「ひょっとすると彼は来るかもしれない。」

▶️He may possibly come.「ひょっとすると彼は来るかもしれない。」

oddが奇数になった歴史

oddが奇数になった歴史

odd が「奇数」になった歴史

1. 出発点は「1つ余る」

昔、数を2個ずつのペアとして考えると、

2 → ●●
4 → ●●|●●
6 → ●●|●●|●●

のように、偶数は全部きれいにペアになります。

しかし、

3 → ●●|●
5 → ●●|●●|●
7 → ●●|●●|●●|●

では、必ず最後に1つ余ります。

この「ペアからはみ出した1つ」が odd の中心的なイメージです。

2. odd の語源

英語 odd は、古ノルド語 oddi に由来します。

oddi
→「先端・突き出た部分」
→「第3のもの・余分なもの」
→「ペアにならず余ったもの」

という意味の流れがありました。

そこから、

odd number
= 2個ずつ組にすると1個余る数
= 奇数

となりました。

3. 「奇妙な」の意味は後から

さらに、

余っている
→ 仲間から外れている
→ ほかと違う
→ 普通ではない
→ 奇妙な・変な

という意味の発展が起こりました。

したがって歴史的なイメージは、

odd = strange → odd number

ではなく、

odd = 余ったもの
→ odd number = 奇数
→ odd = 普通と違う・奇妙な

です。

覚え方はこれで十分です。

even = きれいにペアになる
odd = 1つ余る

だから、

odd number = 奇数

です。

Can I have some water?とCan I have any water?の違いは?

f:id:jay0123:20260920153821p:imageCan I have some water?

f:id:jay0123:20260920153922p:imageCan I have any water?

違いはかなりはっきりしています。

Can I have some water? は、普通に「お水をいただけますか?」です。依頼なので、話し手は「水がある」「たぶんもらえる」とある程度期待しています。したがって、レストランや人の家で水を頼むなら、これが圧倒的に自然です。

 

一方、Can I have any water? は普通の「水をください」という依頼としてはやや不自然です。any は「少しでも水をもらえるのか」「何らかの水をもらってよいのか」という、可否・存在そのものを問題にする感じが強くなります。たとえば、医者から「検査前は飲食禁止」と言われていて、Can I have any water?「水なら少しでも飲んでいいんですか?」なら自然です。

 

つまり、

・Can I have some water?
→ 「水をください。」
→ もらえる前提に近い依頼

・Can I have any water?
→ 「水は少しでももらえますか/飲んでいいですか?」
→ 水そのものが許されるか・存在するかを確認

🔹ここがポイントです。疑問文だから必ず any ではありません。依頼・申し出では some が非常によく使われます。

enough, plenty, ample の違い

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3語とも「十分な/たくさんの」という領域に入りますが、基準を満たす enough、必要以上に豊富な plenty、余裕をもって十分な ampleという違いがあります。

 

enough — 「必要な基準を満たすだけ十分」

核心は necessary amount(必要量)に達している ことです。

・We have enough time to finish the work.
仕事を終えるだけの十分な時間がある。

 

イメージとしては、

不足 ←―――|必要ライン|―――→ 余剰
      ↑
     enough

つまり「足りるか、足りないか」が問題になります。

 

また、形容詞・副詞にも使えるのが重要です。

・The room is large enough.
その部屋は十分に広い。

・He didn’t study hard enough.
彼は十分に一生懸命勉強しなかった。

 

plenty — 「必要量よりたっぷりある」

enough よりも余裕がある感じです。

・We have plenty of time.
時間はたっぷりあるよ。

 

比較すると非常に分かりやすいです。

・We have enough time.
→ 必要なだけの時間はある。=「間に合う」

・We have plenty of time.
→ 必要以上に時間がある。=「まだたっぷりある」

 

したがって、enough = 足りる、plenty of = たっぷりある、となります。

 

なお、名詞の前では原則 plenty of + 名詞。

plenty of money
plenty of food
plenty of opportunities

× plenty money とはしません。

 

ample — 「余裕をもって十分な」

ここが面白いところです。ample は単に enough なのではなく、「必要量を十分に上回るほどある」というニュアンスを持つ形容詞です。

・We have ample time to discuss the issue.
その問題を話し合う時間は十分にある。

 

意味としては plenty of time にかなり近いのですが、ample のほうがフォーマルです。

・There is ample evidence to support the theory.
その理論を裏づける証拠は十分にある。

・The hotel provides ample parking space.
そのホテルには十分な駐車スペースがある。

 

特に time, space, opportunity, evidence, resources などとの相性がいいです。

Here you are. とHere you go.

f:id:jay0123:20260929094618p:imageHere you are. とHere you go.

この2つはかなり似ていますが、ニュアンスが少し違います。

🔹 Here you are. は基本的に「はい、どうぞ」「こちらです」。相手が求めていた物を手渡す・提示する感じが強いです。
例:
A: Can I see your passport? 「パスポートを見せてもらえますか」
B: Here you are.「はい、どうぞ。」

 

🔹 Here you go. も「はい、どうぞ」ですが、こちらの方が口語的でくだけた表現です。特にアメリカ英語では非常によく使います。物を渡す場面だけでなく、「はい、できた」「ほら、これでいいよ」という感じにも広がります。
例:
A: Could I have some water? 「水をもらえますか」
B: Here you go.「はい、どうぞ。」

 

▶️ 大まかには、Here you are = [丁寧に] 相手が求めていたものを提示する場合、Here you go = [カジュアルに] 相手が求めていたものを提示する場合の違いがあります。

▶️ さらに重要なのが、Here you go. の方が使える範囲が広いことです。たとえばパソコンの設定を直して「完了」を示す場合、下記のように言うことができます。
・Here you go. It should work now.「はい、できた。これで動くはずだよ。」
⚠️ この場合 Here you are. は明らかに不自然です。

 

▶️ また、Here you are. にはまったく別の意味もあります。
Ah, here you are! I’ve been looking for you.「ああ、ここにいたのか!探してたんだよ。」
⚠️ この here you are は「はい、どうぞ」ではなく、文字通り 「ここにあなたがいる」 です。

 

🔹 一言で覚えるなら、

・Here you are. →「こちらです/はい、どうぞ」
・Here you go. →「ほら、どうぞ/はい、できたよ」

▶️ 日常会話、特にアメリカ英語なら、物を渡すときは Here you go. がかなり自然です。