新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

推量の助動詞 could#3

本日は番外編として推量の助動詞 could を扱います。これについては 2010 年 1 月 6 日のブログ、例示で用いられる推量の助動詞 - 新Jay’s時事英語研究 で少し触れましたが、本日はさらなる検証を加えたいと思います。

(1) 可能性を表す助動詞 (補足):
以前、could の推量が示す可能性は、must(100%) → will → would → ought to → should → can → may(50%) → might → could になると説明しました。しかし 50% を表す場合、実際には might もよく使用されており、これは本用法が「仮定法」から発展したこと考えると、うなずけるところです。

(2) could が示す可能性:
推量の助動詞 can は「理論上の」あるいは「客観的な」可能性を示します。これと同義で過去形 could が使用されてることがありますが、これは、may = might になる点に似ています。(注意) 下記では可能性を表す副詞との例文を挙げていますが、この副詞は必須ではありません。
・Finally, you know your story has worked when readers think: "This could probably happen under the right circumstances." (最後に、ストーリーがうまくいくのは、読み手が「こういったことは条件がそろえばきっと起こるだろう。」と考えるときです。) http://horror.fictionfactor.com/articles/environment.html

(3) 可能性を表す副詞との共起:
可能性を表す副詞との連動がどの程度起きるかを検索しました。ここでは比較的過去時制の影響を受けにくい happen を使用しています。

a)50 % 未満:
・could possibly happen: 953,000 件
・could conceivably happen: 152,000 件
・could perhaps happen: 23,700 件
・could maybe happen: 53,500 件

b)50 % 〜 90 %:
・could likely happen: 73,000 件
・could presumably happen: 346
・could doubtless happen: 36,000 件
・could probably happen: 71,200 件

c)90 % 以上:
・could inevitably happen: 255
・could necessarily happen: 140
・could definitely happen: 193,000 件
・could unquestionably happen: 3
・could certainly happen: 199,000 件
・could undoubtedly happen: 90

これを見ると、could happen は possibly, certainly, definitely, conceivably, likely, probably, maybe, doubtless, perhaps...の順で共起することが分かります。一般の辞書では「50 %」未満の副詞との共起例しか挙げていませんが、ここは再考の余地がありそうです。

次回はまた、 give の用法に戻ります。