新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

more or less が表す複数の意味#3

本日は more or less の最終日です。これが eventually あるいは practically の意を表す場合は前後関係をよく見なくてはなりません。本日はこの点を含めて解説しましょう。

この表現が上記の意味を含むか否かは、文脈依存の要素が極めて高くなります。まずは (3) の mostly で解釈し、前後の文脈から (4) の eventually あるいは practically の意味で訳すと良いでしょう。

(4) eventually (結局は), practically (実質的には): 名詞・形容詞・副詞・動詞などを修飾
・[名詞] He is more or less the boss of bosses. (彼は事実上、ボスの中のボスである。)
・[形容詞] It looks more or less the same to me though. (しかし、それは私には実質的には [ほぼ] 同じに見える。)
・[副詞] It is a difference which most people recognize more or less consciously, but which again is not easy to define. (それは大半の人が実質的に意識して認識する違いだ。繰り返すが、この定義は容易ではない。) http://www.gurdjieff.org/sharpe.htm
・[動詞] She more or less admitted she'd done it. (彼女は自分でやったと結局 [実質的に、ほぼ] 認めた。)

上記の例を見ても分かると思いますが、(4) の意味は (3) の意味に絡みやすくなります。前後関係をよく見て判断するようにしてください。