新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

most の用法

本日からは most の用法を取り上げます。これも色々厄介な用法が満載なので一つ一つ検証していきましょう。

本日は very を意味する most の用法です。
(1) It's most kind of you! (誠に有り難く存じます。)
→叙述用法の形容詞や副詞を修飾する場合、冠詞は不要です。

(2) It was a most beautiful morning with the fog lifting and the sunrise reflecting on the calm waters. (霧が上がり、穏やかな水紋の上を朝日がきらめく、とても素敵な朝でした。) http://nancyjlocke.blogspot.com/2009/07/why-i-believe-in-god.html
most が 名詞を伴う場合、不定冠詞も可能です。
【研究1】最も厄介なのは、この冠詞を伴う用法です。学校英語では不定冠詞を伴う a + most + 形容詞 + 名詞を見せることで very と解釈させていましたが、実際には定冠詞 the も来れます。つまり、the most beautiful morning は、相対的に「最も素敵な朝」とも、絶対的に「とても素敵な朝」とも解釈できるわけです。基本形容詞・副詞辞典では、the most intriguing girl の例を挙げて上記を説明しています。[p.1173]
【研究2】 the + most + 形容詞 + 名詞がどちらの意味になるかは文脈依存です。しかし定冠詞 the を伴う場合はまず相対最上級 (最も〜だ) で解釈し、文意に合わなければ絶対最上級 (非常に〜だ) で解釈すると良いでしょう。

次回も引き続き、most の用法を扱います。