新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

◇as same as の用法に関して◇

本日は久々に番外編を扱います。テーマは as same as です。

結論から申し上げると as same as の用法は規範文法的には認められません。それは最初の as が副詞で「同じくらい」を意味する関係で重ね言葉のように意味が重複するからです。以下に副詞 as の用例を挙げます。

[1] 副詞 as の用例
a. He is rich. (彼はお金持ちだ。)
b. He is as rich. (彼は同じくらい金持ちだ。)
c. He is as rich as she is. (彼は彼女と同じくらい金持ちだ。)
【研究】1. b. は「同じくらい」という副詞で形容詞 rich を修飾しています。2. 学生時代に as + 形容詞[副詞] + as...で機械的に覚えているとこの点が理解しづらいので気を付けましょう。c. は「比較対象」をas...で明示しています。これ自体は文脈から分かれば省略可能です。

[2] なぜ as same as が不可能か
ここまで来ると分かった方も多いと思いますが、as same as... は「...と同じくらい同じ」という意味になり極めて冗長かつ不自然になるわけです。

ネットで検索すると as same as の用例は結構ヒットしますが (約 591,000 件, 間違いを指摘するサイトを含む)、規範文法的に間違いであるだけでなく、ネイティブにはかなり不自然あるいはくだけた表現に聞こえるので気を付けるようにしてください。