前回に引き続き similar の用法です。本日は規範文法上のルールと異なる現状についてお話をしましょう。
規範文法書では 冠詞との共起に関して下記のような解説があります。
(1) similar は「類似性」を表すため、通常、定冠詞と共起しない。また、限定用法で用いる場合、通常、無冠詞か不定冠詞を用いる。
→ Google で "the similar" を用例検索すると、4,950,000 件ヒットします。よって、similar が the を伴う例は誤用と言い切れない気がします。
(2) 「similar + 形容詞 + 名詞」あるいは「similar + 名詞 + of + 名詞」の場合は例外的に、the similar...となる。
→ これは similar が 例外的に the を伴う例としてよく挙げられるものです。Google で "the similar situation is" を用例検索すると、694,000 件ヒットします。この用例検索から、a. similar + 名詞でも the を伴う、b. 「of + 名詞」で修飾を受けなくても the が付加される、ということが分かります。
similar と冠詞に関する説明は徐々に現状に合わなくなってきているようです。この辺りを理解しながら similar を使用するようにしましょう。