新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

enoughの用法 (その他)#3

本日は enough の最終日です。enough の用法をまとめて解説します。ここで挙げる例はやや口語色が強くなります。

(1) enough of + a(an) + 名詞で「うんざりするほどの〜」などを意味します。
・It was enough of a war for me. (もう戦争は真っ平だった。)
→この構文は必ず不定冠詞を伴います。the などの定冠詞は通常伴いません。
・He's enough of a coward to use such a term. (彼はそのような言葉を使うほど臆病者だ。)
→段階的な名詞を伴うと「程度」の意味が出るので、to 不定詞や that 節を従えることができます。

(2) see enough of 人 [物] で「(人) と頻繁に出会う」「(物) をよく目にする」などを意味します。
・I still feel like I don't see enough of my family. I kind of miss them. (ここのところあまり家族に会ってないなあ。ちょっとさびしくなってきた。)
・Do you see enough of your divorced parents? (離婚した両親とはちゃんと会っているかね。)

(3) have enough of 人 [物] で「〜はもうたくさんだ」などを意味します。この場合、名詞は文脈上否定的な意味を持つものになります。
・We have enough of his rudeness. (彼は失礼にもほどがある。)
・I have enough of people finding me only when they need me. (自分たちに必要なときだけ会いに来るような人たちはもうごめんだ。)

以上です。次回以降は副詞の too を検証します。