新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

パンクチュエーションの用法 (コロン編)

日本語と異なり、英語にはパンクチュエーションがいくつもあります。これらは文脈上いろいろな意味を持つため、しっかりとした理解がないと誤訳を生む結果となります。しかし、意外なことに文法書ではこのあたりをしっかり解説していません。今回はコロンについて見ていくことにしましょう。下記に英英辞書の定義を挙げます。

・a punctuation mark (:) used to precede a list of items, a quotation, or an expansion or explanation. (Compact Oxford English Dictionary)
・the sign : used in writing, especially to introduce a list of things or a sentence or phrase taken from somewhere else (Cambridge Advanced Learner's Dictionary)
・a mark of punctuation (:) used before an extended quotation, explanation, example, series, etc. and after the salutation of a formal letter (Webster's New World Finance & Investment Dictionary)

上記の定義によると、コロンは、「リスト化されたもの」「引用句」「説明」などの前に付き、「導入」や「予期」を意味しているようです。

ちなみに、「現代英語語法辞典」によると、聖書や Shakespeare の作品では、カンマ→セミコロン→コロン→ピリオドの順に大きい切れ目を表す使い方をしていたが、現在、コロンはセミコロンよりも弱い切れ目を表すようになってきている、とあります。

語法的なことになりますが、コロンの後には、語句のみならず節も置け、文脈上独立性が高いと判断できる場合には、節を大文字で文を始めることもできます。

上記の点を意識しながら訳すようにすると、商品性が上がってきます。今後の参考になさってください。