新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

make の用法#38_使役動詞(1)

本日からは、使役動詞の make を扱います。これは「人」が主語の場合「強制的に〜させる」を意味しますが、「物」が主語の場合、それほど強制のニュアンスは強くありません。今回は「人」が主語のパターンを扱います。

・She made me go with her to get a pregnancy test since she's missed a few birth control pills. (彼女は妊娠テストを受けるのに、無理やり私を同行させた。というのも、彼女はこれまで数回避妊ピルを飲み忘れていたからだ。) Texts From Last Night
【研究】これはこの 1 文でも文脈から me が男性であることがうかがえます。
・If he will not believe willingly, I will make him believe whether he will or no. (本気で信じないかもしれないが、彼がどうであれ私は彼に信じ込ませるつもりだ。) The Historical Essays and Narratives of the Merovingian Era - Online Library of Liberty
【研究】①ときに whether 節なども従えます。②if 節の will は「意思」を表す助動詞です。

上記の例文はすべて「強制」の意味が付加されますが、目的語である「人」は原形不定詞内容が行える能力を有していない場合、極めて不自然な英文になります。よって最初の文の場合、she と me に性的関係が存在しなければ (それに見合う何らかの関係が存在しない限り) 不自然ですし、2 番目の文も同様、he と I との間に何らかの「信頼関係」が存在しなければこの文は成立しません。

次回は本用法の「物」が主語のパターンを扱います。