新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

◇重ね言葉_2_許容度を考える

本日も前回と同様「重ね言葉」です。「〜人の人々」という表現を取り上げます。

これは「人」と「人々」が重なるため「重ね言葉」と判断されることがあります。しかしこれは本当に許容できないのでしょうか。本日はこの点を検証したいと思います。

1. NHK

・一年前のカウントダウンを収録したVTRに登場した10人の人々は、どのように事件後の新年を迎えたのか。http://www.nhk.or.jp/archives/bs-archives/past/201009.html
・大正8年(1919年)に日本の委任統治領となり、民間人や軍人・軍属など約2万人の人々が暮らすようになっていた。NHK 戦争証言アーカイブス
【研究】NHK では 6,340 件ヒットしました。

2. 省庁
・WHOは、季節性インフルエンザが毎年300万人から500万人の重症患者を引き起こし、25万人から50万人の人々を死に至らしめることから、季節性インフルエンザワクチンの製造をやめることを推奨しません。厚生労働省:新型インフルエンザA(H1N1)に対するワクチン(WHO 翻訳:感染症研究所)
【研究】厚生労働省では 5,380件ヒットしました。

3. 新聞社
・23日、いったん空港に向かったが、予約した便には搭乗できなかった。「数千人の人々が殺到していて、搭乗手続きがまったく進まなかった」。http://www.asahi.com/international/update/0225/NGY201102250032.html
【研究】朝日新聞では 2,760 件ヒットしました。
・このような状況は、少なくとも数十万人の人々覚せい剤を乱用し、本人だけでなく、周囲の人々も苦しみ、不幸な状態に陥っていることを意味する以上、憂慮すべきものであることは間違いない。社会:オピニオン:教育×WASEDA ONLINE
【研究】読売新聞では 958 件ヒットしました。

各種サイトを検証してみると積極的に使用すべき表現ではないものの、文脈に依っては必ずしも「非許容」とは言えないようです。この点も含めて今後注視していきたいと思います。

次回は、 contain の用法に戻ります。