新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

several = 「複数の」に関して

翻訳でよく用いられる several の訳として、「複数の」というものがあります。非常に便利で使い勝手の良い訳ですが、この訳を明確にサポートしている辞書はありません。この辺りからネットはよく「複数の」という訳は可能か?というテーマで、この訳に対する否定的な意見が寄せられています。しかし、実際には「複数の」という訳は可能です。その理由を挙げてみましょう。

「複数の」という訳に違和感を覚える方は、最小数に 2 を含むか否かをその論点にしているようです。しかし、日本の辞書ではジーニアス、英英辞書では Webster が「2」を含むと説明しています。

2 つ以上から 56、時に 10 ぐらいまでをさすが、文脈によってはそれ以上の数を表すこともある (ジーニアス)

more than one (Merriam-Webster Online Dictionary)

余談ですが、かつて私の同僚であった UCB 講師の Ellen 氏は幼少時、お祖母さんに「several っていくつなの?」と聞いたら、「片手 (5) と覚えておけばいいんだよ」言われたそうです。ジーニアスでは「2 〜 5, 6」、リーダーズおよびランダムハウスは「3 〜 5, 6」をサポートしていることから、この教え方は非常に適切で分かりやすいといえますね。