新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

chunk について

訳出に困る表現の一つに chunk があります。単に「(大きな) かたまり」と訳して問題がなければそれで良いのですが、実際にはなかなかそうはいきません。一般の辞書では a chunk of で「かなりの量の」という連語も載せているため、さらに厄介なことになっています。下記に例を挙げましょう。

・a chunk of memory: あるまとまった [連続した] メモリー空間 [領域] (ビジネス技術実用英語大辞典)

ビジネス技術では「かなりの量の」以外の訳を載せていますが、他の一般的な辞書ではこの訳語をサポートしていません。ちなみに上記のa chunk of は、「まとまった」や「連続した」という意味を絶対に含まなくてはならないというわけではなく、文脈によっては、単に「空間」や「領域」だけで十分通用することがあります。さらに例を挙げましょう。

・Also called a data chunk, by RFC2960 SCTP (Stream Control Transmission Protocol) standards it is the term used to describe a unit of information within an SCTP packet that contains either control information or user data. http://www.webopedia.com/term/c/chunk.html

上記の説明から分かるように、chunk はときに「情報単位」を表すことがあります。また、次のような例もあります。

・(computing) A discrete segment of a file, stream, etc. (especially one that represents audiovisual media); a block. (Wiktionary)

まとめると、chunk の意味としては、「空間」「領域」「集合」「集まり」「ブロック」「セグメント」「ストリーム (=データの流れ)」などが考えられます。これ以外にもあると思いますので、文脈に応じて適切な表現を当てるようにしてください。