新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

gotcha の名詞用法

口語表現や俗語は非常に困るものです。IT 系の文書を訳しているとオーサーが極めて口語色の強い表現を使用しているため、解釈および訳出に困ることがあります。その一つが gotcha です。この表現は got you (=I've got you) に由来するものですが、その類推から名詞用法は通常、「逮捕」や「かすり傷」くらいの訳になります。しかし、下記のような英文ではこの訳はまったく通用しません。

No 'gotchas' that I've found. As long as you have the software running on the system, you should be good to go!

これは「現段階で問題は発生していない」などの訳が可能です。この gotcha は、「潜在的な問題」「トラブルの元」などの意味を表し、ときに「禍根」を表すこともあります。ちなみに Wiktionary では下記のように説明しています。

(colloquial) A potential problem or source of trouble. Review the work thoroughly and make sure there are no gotchas. (Wiktionary)

口語色の強い表現は、Wiktionary (英語版) が非常に便利です。うまく利用して、解釈に役立ててください。