新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

any と every, all の訳

any, every, all の中で訳しにくいのは any です。肯定文で使用される any は、通常、「どれでも」「どのようなもの [人] でも」「だれでも」などの訳を当てますが、そのまま上記の訳を入れると不自然になることがあります。そのような場合、every や all の語義を当てますが、これがなぜ可能か考えてみましょう。

下記に American Heritage Dictionary of the English Language の定義の挙げます。

One, some, every, or all without specification:
・Take any book you want.
Any child would love that.
・Give me any food you don't want.
[コメント] any は、every や all と同義と説明しています。


現代英語語法大辞典では、非常に良く説明してあります。

1. 肯定文で用いられた any は「どれでも、だれでも」の意味で all や every と交換可能
2. any は一度に一つずつ考慮に入れるのに対し、every や all は一括して捉える
3. every は「実際にある対象が存在する」という現実性を意味しているのに対し、any は「仮にある対象が存在するとすれば」という可能性に言及している

上記の理由により、any は every や all の語義を当てられます。必要に応じて利用してください。