新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

◇apparently の用法(文修飾)_2

本日は前回取り扱った apparently の文修飾用法の補足です。

1. apparently の訳出優先順位は「〜だろう」→「明らかに〜だ」→「実際は」になります。形容詞 apparent が「明らかな」をサポートしているので、その類推から「明らかに〜だ」を連想するのは仕方がないことですが、訳文ではまず「〜だろう」の訳が当てはまるかを考えます。各種辞書が「〜だろう」の訳を前面に押し出していることからもこれは明白です。そのあとで「明らかに〜だ」を当てはめてみましょう。いずれの場合も「事実関係」の有無を考察してください。◇apparently の用法(文修飾)_1 - 新Jay’s時事英語研究

2. apparently が持つ「明らかに〜だ」の意味ですが、Macmillan Dictionary apparently (adverb) American English definition and synonyms | Macmillan Dictionary では "used for saying what seems to be true when people do not yet know all the facts of a situation (ある状況の事実関係すべてが明らかになっているわけではないとき、真実と思われるものについて言及する際に使用します。)" と定義しています。これから判断して evidently や certainly 程、「明らかに」の意味は強くないことが分かります。和訳では明確にこのニュアンスの違いはなかなか出せませんが、英訳では気を付けるようにしましょう。

次回は、see の用法に戻ります。