新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

文末の to 不定詞を「目的」で訳すか「結果」で訳すか

文末に付加される to 不定詞を「目的 (〜するために)」で訳すか、「結果 ([主節内容を受けて] 〜する)」で訳すかは、翻訳初期では困ることが多いと思います。事実、学校英語では、絶対に「目的」で訳せないときにだけ「結果」用法を当てはめる傾向にありました。これに引きずられると、実際の翻訳では困ることがあります。今回はこの点について解説したいと思います。

先ほどの、「目的で訳せない結果」ですが、下記のような例が挙げられます。
・I woke up to find that someone had stolen my camera.(起きると、私のカメラが誰かに盗まれたことが分かった。)

この例文はさすがに目的では訳せませんね。しかし、実際の翻訳ではこのようなパターンだけ「結果」で訳すわけではありません。学校英語的には「目的」で訳すものもかなり「結果」で訳します。

・Double-click the file name to open the file. (ファイル名をダブルクリックして、ファイルを開きます。)

これは「ファイルを開くためにファイル名をダブルクリックします」とも訳せますよね。おそらく学校英語的にはこのように訳すことを推奨するでしょうが、実際には「結果」で訳します。

まとめると、文末の不定詞は、(翻訳では「訳し下し」が好まれるため) まず「結果」で訳してみます。それで意味が曖昧になったり不自然になるときには「目的」で訳すようにすれば問題ないと思います。主節で使用されている動詞で「目的」か「結果」を見極めることもできますが、これも文脈依存で絶対ではありません。じっくり内容を確認して訳すようにしてください。