新Jay's時事英語研究

実際の翻訳案件ではよく見かけるものの、一般の辞書や規範文法書ではなかなか理解できない用法などを集めて解説します。 加えて、辞書では見出語だけで例文がないものも集めて用例解説します。

blame の語法

blame の語法

blame の基本は「悪い結果・問題について、その原因や責任を何か/誰かに帰する」です。重要なのは、on と for で「何を責任の対象にし、何を原因・責任者として見るか」の向きが変わることです。

blame A on B は「AをBのせいにする」。Aには問題・失敗・事故・遅延などの「悪い結果」が入り、Bにはその原因と考える人・物・状況が入ります。She blamed the accident on the bad weather.「彼女はその事故を悪天候のせいにした。」He blamed his failure on his teacher.「彼は自分の失敗を先生のせいにした。」She blamed the delay on a system problem.「彼女は遅延をシステム上の問題のせいにした。」つまり、blame「悪い結果」on「原因」という構造です。日本語では「AをBのせいにする」と、そのまま覚えると分かりやすいです。

一方、blame B for A は「AについてBを責める」「Aの責任をBに負わせる」という形です。She blamed him for the accident.「彼女は事故のことで彼を責めた。」The boss blamed him for the mistake.「上司はそのミスについて彼を責めた。」この場合は blame「責任者」for「問題・行為」と考えます。したがって、blame A on B と blame B for A は同じ出来事を違う方向から表すことができます。She blamed the accident on him. = She blamed him for the accident. どちらも「彼女は事故を彼のせいにした」ですが、前者は accident という「結果」に焦点を置き、後者は him という「責任を負う人」に焦点を置いています。

ただし、「blame 人 for 物」とだけ覚えるのは少し狭すぎます。blame X for Y の X には人だけでなく、物・状況・制度なども入ります。We blamed the weather for the delay.「私たちは遅延を天候のせいにした。」Many people blame social media for the spread of misinformation.「多くの人が誤情報の拡散をSNSのせいにしている。」つまり blame X for Y は正確には「YについてXに責任があると考える」です。Xが人なら「Xを責める」、物や状況なら「Xのせいにする」と訳すのが自然です。

blame A on B と blame B for A の対応は非常に重要です。He blamed his poor grades on his teacher.「彼は成績が悪いことを先生のせいにした。」= He blamed his teacher for his poor grades.「彼は成績が悪いことで先生を責めた。」She blamed the delay on the weather. = She blamed the weather for the delay. このように on を使う場合は「結果 → 原因」、for を使う場合は「原因・責任者 → 結果」という語順になります。

動名詞もよく使います。She blamed him for causing the accident.「彼女は事故を起こしたことで彼を責めた。」Don’t blame me for being late.「遅刻したことで私を責めないで。」He blamed himself for not noticing the mistake earlier.「彼はもっと早くミスに気づかなかったことで自分を責めた。」blame 人 for doing =「~したことで人を責める」です。

さらに重要なのが be to blame です。これは「責任がある・悪い」という意味で、能動態の blame とは語順が大きく違います。Who is to blame for the accident?「その事故の責任は誰にあるの?」Nobody was to blame.「誰にも責任はなかった。」The driver was partly to blame for the accident.「その運転手にも事故の責任の一端があった。」ここでは to blame が形容詞的に働いていると考えると分かりやすいです。注意したいのは He is blamed.「彼は責められている」と He is to blame.「彼に責任がある」は意味が違うことです。

会話では I don’t blame you. も非常によく使います。直訳すると「あなたを責めない」ですが、実際には「そうする気持ちは分かるよ」「無理もないよ」という意味になります。A: I quit the job.「仕事辞めたよ。」B: I don’t blame you. The working conditions were terrible.「無理もないよ。労働環境がひどかったからね。」さらに You can’t blame him for being angry.「彼が怒るのも無理はない。」のように can’t blame 人 for doing で「~するのも無理はない」という重要表現になります。

関連表現として take the blame「責任を引き受ける」、put / lay the blame on ~「~に責任を押しつける」もあります。He took the blame for the mistake.「彼はそのミスの責任を引き受けた。」They tried to put the blame on the new employee.「彼らは新人に責任を押しつけようとした。」blame は単に「責める」ではなく、「原因・責任の所在をどこに置くか」という発想を持つ動詞です。

整理すると、blame 結果 on 原因=「結果を原因のせいにする」、blame 原因・責任者 for 結果=「結果について原因・責任者を責める」、blame 人 for doing=「~したことで人を責める」、be to blame for ~=「~について責任がある」、can’t blame 人 for doing=「~するのも無理はない」です。この「結果 → on → 原因」と「責任者 → for → 結果」の方向を押さえると、かなり整理しやすくなります。